修正会
修正会は、正月元旦から一七箇日の間、国家安全、仏法興隆を修行される法会です。起源は、768年の記録があり、その後827年の正月に東西二寺に四十九僧を請じて行ったことにより、広く行われるようになったとされています。当山の真言宗智山派では高野山大伝法院で毎年行われていましたが、根来に移ってからは、密厳院、覚皇院、菩提心院などで毎年行われるようになったそうです。『根来寺年中行事』には
一、 二日の後夜より密厳院に於て修正御座候
一、 正月元三の後夜に覚鑁の御前にて修正あり
一、 七日には覚皇院の修正満寺皆参
と記録されています。開白や法要も一定ではなかったようですが、僧侶は仁王法もしくは不動法を修していたようです。
お寺に正月三が日にお参りをしていた様子が、遣唐使として入唐した円仁の『入唐求法巡礼行記』に839年の正月の様子が記録されています。「正月一日は甲寅なり。是の年日や、官俗は三日休暇。当寺は三日の斎有り、早朝、相公寺に入り仏に礼し、即帰去す」とあります。また841年の記録には「僧侶と世人は寺において年賀の挨拶をする」とあります。『行歴抄』には「凡そ此の国の人、男女論ぜず、正月中において、寺観に遊び、仏に礼し相を看(うかが)うを愛(この)む。此れに因り、多くの人寺に入り遊縦す」とある。
これらより、正月三箇日は、中国でもお寺に参拝をしていた様子がうかがえます。
定福寺では、正月三箇日は、朝9時より修正会護摩祈祷を厳修致しております。元旦は、住職、二日、三日は長老が護摩祈祷を修しています。