
万葉集での花の呼び名 | ねぶのき |
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日本名 | ネムノキ |
題詞 | (紀女郎贈大伴宿祢家持歌二首) |
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訓読 | 昼は咲き夜は恋ひ寝る合歓木の花君のみ見めや戯奴さへに見よ 作者 紀女郎 8巻1461 |
原文 | 晝者咲 夜者戀宿 合歡木花 君耳将見哉 和氣佐倍尓見代 |
仮名 | ひるはさき よるはこひぬる ねぶのはな きみのみみめや わけさへにみよ |
左注 | 右折<攀>合歡花并茅花贈也 |
校異 | 擧 -> 攀 [細][温][矢][京] |
事項 | 春相聞 作者:紀女郎 大伴家持 贈答 植物 |
歌意味 | 昼は花開き、夜は慕い合って葉を閉じるねぶの花を主人の私だけで見てよいものでしょうか。お前さんもみなさい。 |
解説 | ねむの花に寄せて共寝を誘う戯歌です。「君」は主人。「戯奴」は「若」と同じで下僕などを呼ぶ語。「合歓木(ねぶ)」は夜は葉が閉じて眠るようにみえるので「ねぶ」といい、合歓を共寝に見立て心を託しており、「君」は主君の事で自分をさしています。大伴家持はこれに答えて「あなたの贈ったネブは花だけ咲いて実にならないのではあるまいか」と恋も口ばかりではないかと戯れ返しています。[矢富巌夫 1996:87] |
分類 | :マメ科 |
開花時期 | :夏 |
本州から沖縄に生える落葉高木で高さ10m以上に達する。夏に小枝の頃から花序柄出し、散形状に紅色の花をつけ、日没前に開花する。ネムノキとネムは、小葉が夜間に閉じることを睡眠すると見立てたためである。コウカおよびコウカギは漢名の合歓または合歓木から転訛した名である。[新分類牧野日本植物図鑑 2017:586]
薬草
合歓皮(ごうかんひ)
7~8月、樹皮を採取して水洗いをしてから日干しにする。
<成分>トリテルペノイドサポニン・フラボノイド<薬効>関節炎・腰痛・利尿・むくみ・強壮<使用方法>乾燥させ樹皮10~15gを一日量とし、カップ3の水で半量になるまで煎じて三回に分けて服用する。関節炎や腰痛には同様に煎じた液で患部を冷湿布してもよい。[増田和夫 2006:119]